STEP


一枚のセーターが出来上がるまで

1.デザインと糸を決める

シンプルなセーターにしましょう。

基本のラウンドネックプルオーバーです。

襟はラウンドネック
袖はセットインスリーブ
編地はメリヤス
ウエストから下、リブ(ゴム編み)を長く
袖丈はちょうど手首が隠れる長さ
袖口と襟のリブは3㎝
色はオフホワイト、差し色に赤を少し

2.製図をする

作りたいサイズの1/4スケールの原型を書きます。(下図左 ※クリックで拡大

そこに、デザインしたセーターの製図をひきます。(下図右 ※クリックで拡大) 

1/4 標準原型(Mサイズ)
1/4 標準原型(Mサイズ)
ラウンドネックプルオーバー 1/4製図(Mサイズ)
ラウンドネックプルオーバー 1/4製図(Mサイズ)

実物大の製図もします。

上の製図と同じものを実寸の方眼紙に書きます。これは、後でブロッキングするときに必要です。

B1サイズの1㎜方眼紙


3.ゲージをとる

スワッチ(試し編み)を編んで、ゲージをとります。

糸のラベルを見てみると、棒針4~6号で標準ゲージがメリヤス編み22目31段となっています。

まずは5号で編んでみます。指で掛ける作り目で30目作り、15㎝程度編めたら、伏せ止めにします。

やや編地がスカスカするので、4号でも編んでみます。

 

編めたら、ピン打ちはせず、裏からたっぷりのスチームをあてます。

アイロンを編地に押し当てたりせず、蒸気だけを当てるようにします。

スチーム前(左)後(右)の編地 ※クリックで拡大


くるくる丸まっていた編地が伸び、編み目もきれいにそろいました。

蒸気が完全に抜けて、しっかり冷めたら、定規をあてて10㎝あたりの目数・段数を数えます。

5号の編地(左)4号の編地(右) ※クリックで拡大


左が5号、右が4号で編んだスワッチです。標準ゲージに近いのは5号ですが、4号の編地のほうがきれいなので、4号で編むことにします。


 ゲージが取れました。

4号棒針で、25目34段です。

4.割り出しをする

ゲージがとれたら、1/4製図・実物大製図それぞれを使って、割り出しをします。

 (それぞれの割り出し図をクリックすると拡大して見られます。)

ラウンドネックプルオーバー 割り出し

袖ぐり(後ろ)

袖ぐり(前)


襟ぐり(後ろ)

襟ぐり(前)

袖山


5.編む

いよいよ、編み始めます。

編み図がかけたら、あとはそれに沿ってひたすら編むだけです。

作り目は、後からほどける作り目です。


後ろ身頃

前身頃

袖  の順で編みます。


 

6.編地を整える

各パーツが編めたら、それぞれ実物大製図に合わせてブロッキング(スチーム)をします。 

7.とじ・はぎ(裾・袖口・衿を編む)

まず、肩をはぎます。
「かぶせはぎ」という手法を用います。
次に、脇をとじます。
「すくいとじ」という手法を用います。

ここで、裾と襟を編みます。

 

<裾>

別鎖の作り目の場合、鎖をほどきながら目を拾っていきます。

編み始めは左脇、2目ゴム編みで輪に編んでいきます。

前後身頃の両端の目は、縫い代分の目を裏側に重ねるようにして、2目一度に編みます。

必要段数編めたら、2目ゴム編み止めにします。

<襟>

編み図の拾い目位置を確認しながら、身頃の襟ぐりから拾い目をします。

編み始めは左肩、1目ゴム編みで輪に編んでいきます。

最後の2段は色を変えて編みます。

必要段数編めたら、1目ゴム編み止めにします。

 

袖下をとじます。

身頃の脇と同じ、「すくいとじ」にします。

 ここで、袖口を編みます。

<袖口>

別鎖の作り目の場合、鎖をほどきながら目を拾っていきます。

編み始めは袖下、1目ゴム編みで輪に編んでいきます。

裾と同様に、袖下の縫い代分の目は裏側に重ねるようにして、2目一度に編みます。

必要段数編めたら、1目ゴム編み止めにします。

 

身頃と袖をつなぎます。

身頃と袖を中表に合わせてマチを打ち、半返し縫いにします。このとき、目の中や間に針を入れずに、

糸を割って針を刺すように注意します。


!プロのひと手間

 

身頃と袖のつなぎ目は負担がかかりやすいので、補強するために、袖ぐりの上半分に細編みの台をつけます。

  

 

また、セットインスリーブの場合、袖の付け根が肩の上に乗るようにします。そのため、袖側に縫いしろを倒します。



  細編みの台をつける前

細編みの台を付けた後  


最後に、仕上げのアイロンをかけて・・・

完成!